大会長挨拶

大会長: 白石 研二(高知県社会福祉協議会 事務局次長)

社会福祉協議会職員が大会長の『なぜ?!』

30回を超えるリハ工学カンファレンスの歴史の中で初めてのようで、業界内での普通の感想だと思います。私も同感です。お話をいただいたとき、自分自身「えっ?」と思わず問い返しました。リハ工の会員でもなく、機器の専門職でもない社会福祉協議会職員が今回大会長を務めさせていただくのはこの数年の取り組みにあると思っています。

高知県では平成14年から毎年、セラピストやソーシャルワーカー、介護支援専門員等の中間ユーザーが実行委員会を組織し、大規模な福祉機器展を開催していました。

今回の実行委員会の中核を担う「生き活きサポートセンターうぇるぱ高知(うぇるぱ)」の前身であり、機器展のほか介護等に関する相談窓口の設置、介護技術や福祉機器等に関する研修など幅広い活動を展開していました。

平成19年に福祉機器展を共同開催したことを皮切りに、うぇるぱと高知県社会福祉協議会(社協)は“常設の機器・介護相談窓口の設置”“ケア技術研修の体系化と提供”“研修の成果発表会(コレスバ高知)の開催”“障がいキッズ機器展示・相談会の開催”などなど、職種及び業界を牽引するスペシャリスト集団の専門性と、社協のネットワークと多面性を活かした取組みを展開してきました。

これらの活動には一貫して「地域人材の育成」と「地域での展開」がベースにあり、それらを結実させたものとして、平成28年から県内市町村ごとやブロック単位に、地域講師による統一的なケアセミナーが始まります。

ここに至る仕込み、仕掛け、工夫、根回しを語るには紙幅が足りませんが、さあ「あたりまえの生活を保障する」舞台は整いました。

民・民が連携し協働するテクノロジーの無限の可能性を、自由と維新の高知で感じてください。

大会初日に『高知からの発信!情報や技術がつながる地域づくり~可能性を広げるテクノロジーを届けたい~』と題して、高知の取り組みを報告させていただきます。

 

実行委員長:下元 佳子(生き活きサポートセンターうぇるぱ高知代表 理学療法士)

理学療法士として臨床に出て3年目だったでしょうか、先輩の勧めでリハ工カンファレンスに参加しました。もう少し車いすの知識が増えれば、患者さんに快適な車いす姿勢を作ることができるかなどと軽い気持ちで参加しました。

しかしリハ工は私の小さな期待を快く裏切ってくれ、全く知らない世界に驚くことばかりの3日間となりました。重度の障害を持っていてもコミュニケーションができる機器、スタンディングする車いす、現場ではまだまだ見ぬリフトなどの移乗用具・・・などなど。

理学療法士として身体を回復させること、動作を獲得してもらうことには限界があり、私たちは平気で『プラトー』という言葉を使っていました。そんな状態で放置しあとは頑張って!というのが私たちの提供しているリハと呼ばれるものなのではないのか。この人たちは何?難題を可能にする、環境を整えて生活を変えている。理学療法士としてしっかり用具のことを知らなければ目の前の人の生活に限界を作ってしまうと感じたことが今の高知福祉機器展などの活動につながっています。

機器を開発するセンターもエンジニアもいない高知県では、情報や機器が届かなければ、障害を持ったり、高齢になったら諦めるしかない、生まれたところ、暮らしているところでその後の人生が決まってしまう。情報が集まる県にしなければいけない、私たち専門職がしっかり情報と知識・技術を持たなければと思ったことでした。

今年、リハ工カンスァレンスが高知で開催されます。テーマを「あたりまえの生活を保障する~可能性を拡げるテクノロジー~」としました。機器を開発する場所や人は必要です。でも、機器がユーザーの手元に届き生活を変えることができなければ意味がありません。ユーザーの生活を変えるために地域がつながっていることが大切でありそんなネットワークの必要性と想いをテーマにこめました。

私が駆け出しのころ受けた感動を地元の専門職やユーザーにも感じてもらえる大会にしたいと思っています。皆さんのお越しをお持ちしております。