協会誌最新号Vol.33/ No.3 (通巻111号)
特集「遊び 最近の動向」

AI とロボットは支援者になれるのか

33-3号は「遊び 最近の動向」、ご案内いたします。
冒頭と末尾は、広島在住の特集担当編集委員からのメッセージです。

「実際のリハビリテーションの中ではどのように遊具や玩具が活用されているのか、また教育では“学ぶ”ことの対局にある“遊び”をどう位置付け捉えているのか興味を持ちました。」(特集にあたって)

「余暇の過ごし方としてテレビ視聴・ゲーム等の割合が高いのは特別支援学校の子どもたちに限ったことではないが、自分の自由な時間を心地よく使えるかどうか、遊びの選択肢があるかどうかは、大人になってからの人生でも大切である。」(遊びと教育)

「遊びや学びが育まれるデザインには、設計者のアイディアの中に児童生徒や子どもたちを積極的に理解しようとし、一緒に遊ぼうとする眼差しが感じられる。」(特別支援学校における状況 −「遊び」と「学びに向かう力」−)

「みんなのためということが、しばしば誰のためにもならない、ということがよくあります。「ひとりひとりのためのものであってこそ、みんなのためになる」…考え方に基づいて作られているあそび道具を「ユニバーサル・プレイシング」と呼ぶ…目と手の協応作用を促すルーピング 失敗のないあそびは、ストレスを感じさせず、子どもも大人も無心になって遊べます」(誰もが楽しめるおもちゃ −ユニバーサル・プレイシング−)

「一般向けに開発するおもちゃにできるだけの工夫を凝らし、目や耳の不自由な子どもたちもいっしょに楽しめるようにしていこうというのが「共遊玩具」の活動である。…。「トミカ4D シリーズ」 …「共遊」のための配慮点:・電池ボックスを開くためのビス穴の周囲をリング型の凸で表示 ・さまざまな車の形状をさわっても楽しめるように再現 ・音と振動でエンジンの鼓動を幹事、リアルな車の体感遊びが楽しめる(2018年日本おもちゃ大賞 大賞受賞)」(目や耳の不自由な子どもたちもいっしょに楽しめる「共遊玩具」)

「Dさんは、手指に不随意運動があります。iPad のタッチは意図しない指が触れるなどで操作が安定せず、絵を描く事や小さなシンボルを選択するなどが難しい状態です。発語はほとんどないのですが、指示がある程度通り、好き嫌いは表現できます。手の中に握るスタイラスペン(ペン先は市販品―supen)を使用すると誤操作が少なくなり、積極的にタッチを繰り返しました。「タッチカード」のトイレでウンチを流すと大きな笑顔になりました。」(「遊びから- 伝える」 様々なアプリとその活用例))

「スヌーズレンは、オランダ語の「snuffelen(クンクンにおいを嗅ぐ)」と「doezelen( うとうと心地よく眠る)」という2 つの動詞から合成された用語であり、能動的に外界に働き かける動的な側面と緊張を弛緩させリラックスする静的な側面の両者を包含した意味を有する。」(スヌーズレン(Snoezelen) −人工的な多重感覚環境−の創設と活用)

「おもちゃ図書館では、世界中から優れたおもちゃを選んだり、手作りしたりして創意工夫したおもちゃを貸出ししています。…。社会福祉協議会や日本おもちゃ図書館財団の支援でネットワークが構築され40 年近い歴史があります。おもちゃを修理する「おもちゃ病院」の組織や他の子育て支援グループとの共同で日本ならではの活動が進められてきています。」(おもちゃ図書館の活動内容)

「多様な人へのインタビュー調査より ・車いすの息子と公園に行っても、入り口には狭い車止めや階段があるし、遊具はほとんど使えない。「公園は私たちを受け入れてくれないんだ」と感じた。…。障害のある子どもや家族のニーズ調査、国内外の公園事例調査、海外の取り組みや指針の調査などで得られた情報を当方のウェブサイト2)で公開し、関係各所への働きかけを行っていくうち、日本のユニバーサルデザインの遊び場づくりの課題が浮かび上がってきた。それは公園をつくる側と使う側の両者に、情報と対話が不足している点である。…。 参考文献 2) みーんなの公園プロジェクトのウェブサイトhttp://www.minnanokoen.net (公園を多様な子どもが共に生き生きと遊べる場に −ユニバーサルデザインによる遊び場づくり推進に向けた活動−)

好評の「車椅子の歴史」は第7回 床座移動車(床座車)の歴史に入っております。各報告、あつぎカンファレンス、福祉機器コンテスト30thなどのお知らせもぜひお目通しください。

(以下、特集担当編集委員より)
ご協力頂きました執筆者の方々、編集委員の皆さん、本当に有難うございました。この場を借りてお礼申し上げます。
私は、広島県東広島市在住で、先般の西日本豪雨により災害を目の当たりにしてまいりました。
当初は東西への移動が新幹線しかなかったため、駅周辺の駐車場は満車、通勤時間にはホームからあふれるほどの人が押し寄せていました。10日目を過ぎたころ、土砂崩れで寸断されていた高速道路や一般道の開通を機に生活も一気に元に戻って参りました。しかし、現在も土砂の撤去作業やガレキの山は至る所で見られ、その影響はまだまだ続いて行くものと思われます。今回の豪雨で、電動車椅子にのる知人とは連絡を取り合っていましたが、欲しい情報がなかなか届かないため、知人は引きこもりにならざるを得ない状況でした。まだ1カ月、これからの様々な見通しが付かないのが現状です。何を教訓にしていくべきか、これから考えていきたいと思います。(谷口)

(記 協会誌担当 石濱)