協会誌Vol.30/ No.3 (通巻99号)
特集「転ばぬ先のちえ 」
特集「転ばぬ先の
「転ばぬ先の
「最新の医療機関のリハビリテーション室やウォーキングデッキ、トイレ、浴室、出入り口、階段にはそれぞれの環境に適合した特殊な防滑床材が用いられています。単純に滑り難いということがリハビリテーションを支える非常に重要な工学領域なのです。」
「「床の滑り」記述の背景と近年の関連研究」 布田 健
「死亡率(件/ 10 万人・年)は、1990年頃を境に年々増加しています。これは、社会の高齢化と大きく関係します。また、その中でも目立つ事故要因は、溺水事故(主に風呂での事故)5516 人と転倒事故2154 人です。2013 年は、合わせて7670 人の方が亡くなっています。これは自動車事故の5321人を大きく上回っていますが、この2 つの事故要因とも、「滑り」が原因の一つとなっています。」
「鉄道駅における視認・防滑によるバリアフリー」 緒方 将裕
「バリアフリー新法が改正され、・・・特別特定建築物に関して、2020 年度を整備目標とする建物への移動等円滑化の促進と安全対策を行なうことが盛り込まれている。しかし現状では手すりやエレベーター、スロープの設置は非常に進んでおりどの施設においても見受けられるが、滑りにくい床材、階段の段差識別等の対策はまだ十分に進んでいるとは思われない。」
「介護現場に広く用いられている「介護ヘルパー入浴介助用サンダル」の開発 山崎 裕子
「お風呂場は水・石鹸などによりかなり滑りやすくなっており、危険な環境にあります。 そんな環境下での危険リスクを軽減するために、ハイパーV ソールの特徴を活かした、水・石鹸水でも滑りにくいサンダルにしました。」
「体の滑らない動きの重要性のために」 川初 清典・須藤 拓也・岡本 祐一郎・工藤 真斗・龍田 記方・森 誠・宮本 将典
「ノルディックウォーキングが普及を見せている。これは両杖歩行であり4 点支持歩行になり、体が滑らない動きに更に役立つばかりか滑りが起こっても転倒を回避する機能を果たせると着想された。」