協会誌最新号Vol.34/ No.2 (通巻114号)
特集「認知症のある人を支援する」

人工内耳

34-2号、発刊遅くなり申し訳ございません。特集は、「認知症のある人を支援する」です。

「認知症の人の意思決定を尊重しつつ、何よりも優先するのは生命の安全です。このことを鑑みて、本特集では、リハビリテーション工学との接点として、特に以下の諸課題に関連した、現場での専門的な実践や、医学的・工学的な研究者の方々からの話題提供を考えました。」(特集にあたって)

「共通しているのは、@どちらも重度の認知症、A役割と誇りで甦えったことです。90 歳の母が認知症、要介護4、悪性リンパ腫、あと1 カ月のいのちと診断されたとき、わたしは北欧と日本の「誇りのケア」をこころがけました。」(北欧で、日本で、わが母で、そして、未来?の私のために)

「国際標準化機構(ISO)では、福祉用具技術委員会TC173 において、福祉機器関連の国際規格の作成を行っている。この傘下に2014 年に認知機能を支援する福祉機器に関する作業部会(TC173/WG10)が設置され、関連する国際規格の作成を行っている。・・・認知機能の問題は全ての福祉機器、さらには全ての機器に必要となる要件であるという認識も共有している。」(認知症・MCI 高齢者を支援する福祉機器)

「公共トイレの環境整備についても、多様な利用者に対応するために検討が進められているものの、認知症高齢者が感じている使いにくさの把握や、それを考慮した整備はこれからの課題である。高齢者は加齢とともに排泄に課題が多くなり、外出時に使用可能なトイレの有無が、外出の機会を大きく左右する。」(認知症高齢者の公共トイレの課題 ー困りごと調査と操作系設備の検証からー)

「人間が生活する上で最も重要なのは、「希望」の存在である。見立て塾で考え方を学ぶことで対人支援において最も重要な「希望を与えられる存在」になることができる。・・・もしあらかじめ何が診療の上でポイントになるのかがわかっていれば、その情報を用意することができ、貴重な診療の機会を無駄にすることがなくなる。(今後の認知症支援のあり方と見立て塾)

「『認知症てれほん相談』や『会員のつどい』に寄せられた声、そして2016年度アンケート調査という極めて貴重なデータに基づき、本人や家族が置かれている状況や思いを報告する。当事者の声を確認するだけでなく、ジェンダー・家族といった社会学的な変数が、認知症の現場にどのような影響を与えてくれるかを教えてくれます。」(認知症の人と介護家族への理解を求めて)

「誤解を恐れずに言えば、入院はほとんどの場合認知症の促進因子となる。一般に認知症は脳の病気と思われがちだが、むしろ全身病と考えたほうが正しい理解に近いとも言える。・・・高齢者あるいは認知症に限らず高次脳機能障害など何らかの認知機能障害を有する方に対する運転の問題をどうするかは、「移動手段」に関する最も深刻かつ重要な問題の一つであろう。」(認知症の方々の移動をどう支援するか)

「社会を動かすのは当事者の声、人権意識、エビデンス、テクノロジーです。今、認知症ケアの世界で大きな地殻変動が起きていることを感じ取れる、充実した一冊になっていると思います。」(編集後記) (以上 編集委員 橋本 記)

報告は、「特定非営利活動法人ライフサポートはりま設立15周年記念事業」「RESKOカンファレンス参加報告 ― 国際連携関連も含めて」「第34回日本義肢装具学会学術大会(JSPO2018)」「第14 回日本シーティング・シンポジウム」「第8 回JASPA 災害復興車椅子メンテナンス?朝倉」が掲載されています。

お知らせは、福祉機器コンテスト2019、第34回リハ工学カンファレンスinさっぽろ、2019年度役員候補者選挙告示などとなります。

次号の特集は、「障害者スポーツの未来と挑戦し続けるアスリートを取り巻く環境」(仮)を予定しております。お楽しみに。

(協会誌担当 石濱)