協会誌最新号Vol.34/ No.1 (通巻113号)
特集「リハビリテーション工学の卒前教育の現状と課題」

人工内耳

向春の候、協会誌34-1号をご案内申し上げます。
特集は、「リハビリテーション工学の卒前教育の現状と課題」です。
「リハ工学の教育も卒前(養成課程)から卒後に至るシームレスな視点で捉えることが重要と考えます。しかし、実際にリハ工学の科目を担当し、卒前教育でリハ工学の何をどう教えるかを-問われるとなかなか難しい、というのが率直な感想です。」(特集にあたって)

「セラピストとしてはリハビリテーション工学の中でどのような役割が求められるのか。前述のように福祉用具を必要としているクライエントへの適応と適用が重要なものと考える。そのためには適応・適用のための的確なアセスメントが必要である。」(セラピストに必要なリハ工学に関する卒前教育とは)

「義肢装具教育分野では、・・・ほとんどすべての授業時間をリハ工学の学習に充てていることになる。ただし大きな問題点がある。リハ工学の原点は「今ないものを創り出す」ことにあると思うのだが、その観点からの教育ができているかというと、むしろまったくないというのが実感である。」(義肢装具士教育におけるリハ工学教育の現況)

「日本のRE にはアメリカのRESNA が認定しているATP(Assistive Technology Professional)のような資格はない。残念ながら、RE に関連する総ての分野を網羅するような教育や研修システムはまだ確立されていないのが現状である。」(リハビリテーションエンジニアに必要な事前教育の現状と課題)

「社会福祉士がリハビリテーション工学・福祉用具の知識を持つのは、相談者の生活を支え自立支援に役立てるためであり、実務として計測や福祉用具の選定をするわけではありません。そう考えると社会福祉士における学びはカリキュラムとしては、リハ職が学ぶ知識よりも、基礎的なものであるといえます。」(社会福祉士に求められるリハビリテーション工学・福祉用具の知識とは)

「電動車椅子に乗れるからこそ、可能となる社会参加です。・・・。福祉機器というのはとても高価なものが多いですが、それを利用すれば格段に生活が便利になります。・・・ある程度の性能で、さらなる低価格化を強く望んでいます。」(どうやってリハ工学にたどり着いたか? リハ工学が生み出したものを知ったか?)

「筆者は、様々な工学的な技術を活用して、なんとか採血ができるようになりたいと考えた。・・・、大掛かりな工学的機器をいくつも開発しては、どれも今一つうまく機能しなかった。機能しなかっただけでなく、誰も見たことのないこうした機器に対してもまた冷ややかな視線が注がれ、ますます孤立していったのである。」(どうやってリハ工学にたどり着き、リハ工学が生み出したものを知ったか?)

「リハビリテーション工学の高等教育(卒前教育)のためには、「高等教育SIG」を立ち上げ、カリキュラム開発や演習課題設定、教材開発などを議論し、各自の経験の共有を行える場をつくることを提案したい。」(協会としての提案)

「「リハビリテーション工学」は複合領域であり、多くの分野で関連する知識・技術が教えられているが、その分、教育体系が確立しにくい側面もあることが伺われる。」(「リハビリテーション工学」の科目概要)
(記 編集委員 徳田)

連載 車椅子の歴史 第八回 は、「折り畳み式車椅子が社会にもたらした影響と新たな車椅子への展開 ―東京パラリンピック〜 1980 年頃まで―」となります。 
報告では、第33 回リハ工学カンファレンスin あつぎ、SIG 姿勢保持講習会2018 in 東洋大学、第16 回NPO 法人ケアリフォームシステム研究会全国大会in 沖縄、福祉用具プランナー研究ネットワーク(プラネット)第4 回研究大会、福祉機器コンテスト30 周年記念式典、H.C.R.2018(第45 回国際福祉機器展)出展社プレゼンテーション「強化段ボールを使ったテクニカルエイドのデザインと被災地支援」、バリアフリー・ユニバーサルデザインの一歩先の展開「社会的包摂に向けてのインクルーシブリサーチとは」が掲載されています。

協会からのお知らせのうち、次期編集委員募集、代議員選挙告示、カンファレンス演題登録および事前参加申込み、合同シンポジウムについては、協会HPにも掲載しております。是非ご参照ください。
30周年をむかえた「福祉機器コンテスト結果報告書2018」も合本保存版になります。
次回の特集は、「認知症のある人を支援する」です。お楽しみに!

(掲載 協会誌担当 石濱)