協会誌Vol.31/ No.4 (通巻104号)
特集「重度障害者のコミュニケーション機器−変遷する技術と支援−」

重度障害者のコミュニケーション機器−変遷する技術と支援−

表紙データ(PDFファイル)

特集「重度障害者のコミュニケーション機器−変遷する技術と支援−」をご紹介します。

「特集にあたって」 北岡 剛
「「ありがとう」と一言、誰に、何に対してかは分かりませんが、保存した日付から推測すれば、亡くなる数日前であったと考えられます。最後まで、この方と、家族、社会、人生を繋ぐ言葉を代替したこの機器の役割は偉大です。」

「重度障害者のコミュニケーション機器の支援とは」 畠中 規
「コミュニケーション機器支援の要素は3 つある。支援機器、適合技術、費用である。支援にあたる担当者が、全部に精通することは難しいので、それぞれの専門家とチームを組んで解決にあたることが重要である。」

「意思伝達装置の現状と課題」 井村 保
「近年は、ICT 機器の性能や可搬性の向上そして一般的に普及してきたこともあり、意思伝とそれ以外のCA 機器の間の垣根すらなくなりつつある。このとき、意思伝達を支援する機器に対する公費負担が2つの制度にまたがることになり、それ自体がわかりにくさを呈するとともに、大きな課題である。」

「意思伝達装置「伝の心」の生い立ちから現在−利用者とともに育て上げてきた歴史−」 岡 高志
「患者の生きがいを支援することが「伝の心」の役目であることを、利用者の声を聞いてはっきりと認識した。このときから全国を行脚して実際に「伝の心」を使っている方々のご意見をお聞きし、半年に1 回、定期的に改善・要望事項を「伝の心」に反映するようにした。」

「「話想」誕生の想い−大人から子供まで いつでもどこでも−」 橋 則行
「文字を打っている時でも、患者さんの見たいところが見られるように、有線カメラを添付し、その映像を画面の隅に表示できるようにしました。全画面で表示することもできます。」

「視線入力型意思伝達装置−視線入力装置の有効活用−」 伊藤 直弥
「進行性疾患の場合は、利用者の眼球運動の状態に合わせて文字盤のキー( マス) や文字の大きさを工夫する事は非常に重要であると考えられる。」

「意思伝達支援ソフト「ハーティーラダー」−無料ソフトからの発信−」 吉村 隆樹
「プログラムもこの文字盤に合うようなものにしたいと心が動いたのだった。こういう明るい画面のソフトなら、ラブレターも書く人がいるかも知れないとも思い、最初にラブレターボタンを作った。これは、ラブレターなどを書いているときなどに、誰かがやってきて覗かれそうになったときに、素早く文面を隠すというものである。」

「意思伝達装置と操作スイッチ適合の背景−適合に必要な技術とは−」 日向野 和夫
「なによりも「経験と勘の世界」では技術の進歩はなく、操作スイッチの適合を使用法の「How To」で終わらせることのないように期待したい。・・・。支援者が当事者の満足度を感知できることが支援技術にとって最も求められる能力である。」

「ICT とコミュニケーション支援情報−支援技術の過去・現在・未来−」 田代 洋章
「先の10 年にあった「パソコン」+「ソフトウェア」の図式が「タブレット・スマホ」+「アプリ」になりましたが、単にプラットフォームが置き換わっただけではありません。安価に提供される無数のアプリと標準アクセシビリティの充実によって、障がい者向けに特別に開発する製品は減り、安い価格でそれまでと同様のコミュニケーション支援が実現できる環境になったのです。」

特集

特集にあたって(P107)
  • 北岡 剛
  • J-STAGE
特集 重度障害者のコミュニケーション機器の支援とは(P108)
  • 畠中 規
  • J-STAGE
特集 意思伝達装置の現状と課題(P112)
  • 井村 保
  • J-STAGE
特集 意思伝達装置「伝の心」の生い立ちから現在 ー利用者とともに育て上げてきた歴史ー(P116)
  • 岡 高志
  • J-STAGE
特集 「話想」誕生の想い ー大人から子供まで いつでもどこでもー(P122)
  • 橋 則行
  • J-STAGE
特集 視線入力型意思伝達装置 ー視線入力装置の有効活用ー(P126)
  • 伊藤 直弥
  • J-STAGE
特集 意思伝達支援ソフト「ハーティーラダー」 ー無料ソフトからの発信ー(P130)
  • 吉村 隆樹
  • J-STAGE
特集 意思伝達装置と操作スイッチ適合の背景 ー適合に必要な技術とはー(P134)
  • 日向野 和夫
  • J-STAGE
特集 ICTとコミュニケーション支援 ー情報支援技術の過去・現在・未来ー(P138)
  • 田代 洋章
  • J-STAGE
報告 第5回日本リハビリテーション工学協会・全国頚髄損傷者連絡会合同シンポジウム ー「生活の中での褥瘡」その向き合い方ーに参加してきました(P142)
  • 日本大学大学院 理工学研究科 博士後期課程 建築学専攻 植田 瑞昌
  • 報告
報告 プラネット第2回研究大会(P143)
  • 国際医療福祉大学大学院 東畠 弘子
  • 報告
報告 CREATe Asia Alliance Meeting 参加報告 Report of CREATe Asia Alliance Meeting(P145)
  • (一社)日本リハビリテーション工学協会 剣持 悟
  • 報告
報告 熊本地震現地調査(4/24)報告(P146)
  • 日本リハビリテーション工学協会 赤澤 康史・岩ア 満男・吉田 泰三
  • 報告
J-stageリハビリテーション・エンジニアリング誌