Vol.32/ No.3 (通巻107号)

しあわせを呼ぶ支援機器

表紙データ(PDFファイル)

32-3号 特集「しあわせを呼ぶ支援機器」 をご紹介いたします。

「特集に込めたもの。「しあわせを呼ぶ支援機器」という願い」 東畠 弘子
「Pleasure を考えるというより、むしろ不自由さを補う、あるいは介護負担の軽減と、どちらかというとpainに目が向いているのではないでしょうか。…、もう少し福祉用具・支援機器を提供する専門家は、積極的に、その製品、支援機器・福祉用具が「その人の生活やライフスタイルを変える」と自信を持って言ってもらいたい気がするのです。」

「「pleasure & pain」製品開発の視点として」 西方 倫彰
「少なくとも「pleasure」とは、生み出すものでメーカーが与えるものではなく、作り手とユーザーのいち方向からでもなく、受け止め方は異なれど、双方向で共有するものではないかと思う。」

「快適な旅をアシストしてくれる車いす」 篠塚 恭一
「介護の持つ暗いイメージを車いすで旅をする人の姿から変えていきたいと思っている。…障がいを持つ人が日常生活圏から飛び出して非日常の世界を旅することで、普段使っている車いすも様々なシーンで活躍することになる。このことから、使用される環境に応じてさまざまな変化をとげているのがわかる。」

「利用者の立場から福祉用具を考える ―介護ベッドを利用してみて、その快適性と危険性―」 沖藤 典子
「・・・。サイドレールは、立派な自助具だった。しかし、自宅生活を始めて1か月ほど経ったある朝、目覚めてみると、右腕の付け根あたりが異常に痛い。・・・。とくに高齢者は、苦情をいいたくてもいえない、「無告の民」。告発のないことをいいことにして、「利用者の身になる」という発想が欠落しているのではないだろうか。・・・。介護用品はありがたい製品なのだから、その「幸福な利用」にむけて、活躍して欲しいと願っている。」

「Pleasure の表現」 桜井 肖典, 曽 緋蘭, 江口 海里
「デザイン史に残るアームチェア「Paimio」。「Paimio」は建築家アルヴァ・アアルトがサナトリウム(結核患者の療養所)のためにデザインした椅子である。その背もたれの角度は結核患者が腰をかけた時に呼吸が楽になるように設計され(プレジャー)、自身の入院経験での気づきから生まれた温もりや安らぎといった患者の心理面への徹底した配慮(アイデンティティ)が、当時主流であったクロームメッキスチールを用いずに成形合板によって曲線を実現する技術革新(スペシャリティ)を生んだ。」

「日本と海外 色んな福祉機器 pleasure & pain)」 木島 英登
フランスのスキー場で見た優れモノは・・・。デイサービスで高齢者達がスキーをしに来ていたのは度胆を抜かれた。自然の中で、山を見て、風を感じ、雪の音を聴く。生きている喜びを感じることができる。・・・。日本の常識、世界の非常識。世界の常識、日本の非常識。そんなことも時にある。国の垣根を超えて、良いものは広まって欲しい。」

J-stageリハビリテーション・エンジニアリング誌