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Q&A集 - 判定方法関係

《 判定方法全般 》

【Q47】意思伝達装置に対する補装具費の支給の判定は、書類判定だけでよいのでしょうか?
【A47】書類判定、直接判定ともにメリット・デメリットがあります。身体状況やお住まいの地域等の実情をふまえ、市町村や身更相等とよく相談し良い方式を検討して下さい。
 詳しくは、「2.1 判定方法の種類と比較」をご覧下さい。
【Q48】市のケースワーカーです。病院は意見書以外の資料提出を個人情報保護の点で公開しないと言っています。書類で判定が可能でしょうか?
【A48】身更相は主治医と連携して補装具費支給に関する判定を行うこととなっています。身更相と相談し、病院への協力を求めてください。本人家族への理解も求め、情報提供にご協力いただくと良いと思います。
【Q49】意思伝達装置に対する補装具費の支給の判定は、どのようなことから判断すればよいのでしょうか?
【A49】医学的所見はもちろんのこと、社会的所見も考慮して行うことが必要だと考えられます。書類判定では「意見書」や「調査書」などにかかれた評価内容等でしか判断することができないため、必要に応じて直接判定を行うことも重要と考えます。
 詳しくは、「3.重度障害者用意思伝達装置の意見書・処方箋・調査書」をご覧下さい。
【Q50】身更相に判定医がいないため直接判定ができません。書類判定でもよいでしょうか?
【A50】書類判定では、判断できない場合もあります。必要に応じ、医師や理学療法士、作業療法士などの身更相職員による直接判定(確認・評価)を行ってください。
【Q51】直接判定が必要だとは思いますが、身更相の職員には医療職がいません。どのように対応すればよいでしょうか?
【A51】都道府県立の病院やリハビリテーションセンター等がある場合には、それらの機関の理学療法士や作業療法士に依頼する方法も考えられます。都道府県と協議するとよいでしょう。
【Q52】直接判定が良いのはわかりますが、そのためには人的にも、地理的にも困難です。的確に書類判定を行うためには、どのような点に注意すると良いでしょうか?
【A52】[R1追加あり] 確かに、書類判定では実態が十分に確認できません。医師の意見書はもとより、判定調査書や処方箋などの書類作成者と連携し、実態の把握に努めてください。また、動画撮影も容易になりましたので、確認手段の1つとしての利用も検討するとよいでしょう。
 これらの様式例は、「3.3 重度障害者用意思伝達装置の処方箋等(例)」を参考にして下さい。
【Q53】身更相として、訪問時での事前評価において、意思伝達装置の必要性を判断する際、使用者がどの程度まで操作できれば、利用可能と判断してよいのでしょうか?
【A53】利用者の身体状況等によって達成可能な操作も異なることから一律に判断はできませんが、本人の意思が、家族等に伝わっているか、本人および家族等が満足しているか等から判断すべきです。
 例えば、10分以上の操作ができること、あるいは、100文字以上の入力ができることといった、定量的評価による一律的な判断は避けるべきと考えます。
【Q54(1)】訪問時間が30分程としていますが、その時間内に上手く操作できず、家族や病院職員からは「ふだんと違う環境のためだ、前はもっとよくできた」と言われることがあります。
【Q54(2)】調査の際に、実力を発揮できない場合もある等、一度きりの確認で判断してよいのかどうか、迷うことがあります。どうすればよいのでしょうか?
【A54】常に同じ状態で、装置の操作ができるわけではありません。訪問を行う際には、本人が活動的な時間にあわせることが有効かもしれませんが、多くの他人がいることで上手く使えない場合もあります。
 再訪問してもうまくいかない場合は、使っている様子をビデオにとってもらうように、家族や病院職員に依頼しても良いでしょう。

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《 入力装置(スイッチ)適合関係 》

【Q55】選択された入力装置(スイッチ)が適合しているかどうかは、どのように判定されますか?
【A55】よく行われるのは、実際に意思伝達装置を用いて、選択されたスイッチでご自分の名前を入力してみることです。入力装置の適合とともに、ご本人の機器操作や文字入力の理解についても確認することができます。
 書類判定であれば、意見書等に記載された内容でのみの判断になるため、そのスイッチが良いと書かれていれば、不適合の疑いがあったとしても、適合しているという判断になってしまいます。
 直接判定であれば、デモ機などを用いて、その場で確認の上、判断することができます。
 詳しくは、「2.重度障害者用意思伝達装置の判定」をご覧下さい。
【Q56】市販されているスイッチの中で、一番合う物を使いたいと考えています。そのため、いろいろと試してみたいので、どこの業者を選択すればよいでしょうか?
【A56】スイッチは身体機能に合わせる物で、適合技術がないと、試用したところで結局日常生活には使えない場合が多くあります。まず身体機能を正確に評価してもらって、スイッチを選択することが大切です。身体機能の評価は、医師・作業療法士に依頼するのが一般的な手順であると説明することがよいでしょう。
【Q57(1)】判定の際、業者からデモ機を借り、操作可能かどうかの確認を行うが、デモ機を借りることのできる期間が短くて困っています。
【Q57(2)】スイッチの適合性を判定するには、申請者の身体機能の把握と個々のスイッチの特性を十分理解しておく必要があると思われますが、判定件数が少ない事、予算的な事から身更相にスイッチ類を準備しておくことはなかなか困難です。
 業者にデモ機を依頼してよいでしょうか?
【A57】[25追加あり] やむを得ない場合もあるかもしれませんが、むやみに業者に依頼することは業者にとって過大な負担となります。本来なら、身更相がデモ機やスイッチを準備して対応すべきものです。身更相としては、職員の資質の向上を勤め、デモ機等の確保に努めるとともに、業者に依頼する際の取り決めを行っておくことが必要でしょう。
 有料での試用レンタルを行っている業者もありますので、その利用も検討して下さい。
【Q58】スイッチの適合性を判定するには申請者の身体機能の把握と個々のスイッチの特性を十分理解しておく必要があると思われますが、判定件数が少ないこともあり、スイッチに対する担当者の理解不足が生じがちです。
 このため適正な意見書の作成を求めることと、その内容を理解するための知識が必要と考えるがそれも不十分な状態です。どのように対応すれば、良いでしょうか?
【A58】都道府県立の病院やリハビリテーションセンター等がある場合には、それらの機関の理学療法士や作業療法士に依頼する方法も考えられます。都道府県と協議するとよいでしょう。
 それらがない場合には、最寄りの作業療法士や拠点病院等へ相談をするよう、本人に促すことも検討すると良いでしょう。

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《 社会的所見関係 》

【Q59】透明文字盤が使えない方から、意思伝達装置を使いたいという相談がありました。対象者の要件は満たしているので、支給することは妥当でしょうか?
【A59】訴えたい意思の確認として、透明文字盤が十分使えていないと、十分な周囲の支援がないと判断して、意思伝達装置の継続的支援がないものと判断している身更相もあります。家族等の支援の状況も装置の操作状況と合わせて判断するとよいでしょう。
【Q60】本人よりも周囲(家族やスタッフ)の希望が強い場合判断に困る場合あり。例えば、「この機械はいいよね!!」と強く家族に言われ、ついうなずいているような場合があります。どのように対応すればよいでしょうか?
【A60】本人が強い希望をしていない場合、支給しても、利用されない可能性が高いと考えられます。本人の意思確認が重要です。
【Q61】市役所宛にメールで申請をされる患者がいます。家族とは話すことはないが、インターネットをしたいという要望がとても強い方です。支給は適当でしようか?
【A61】家族関係に問題がある場合は、緊急時の対応等、別の支援がまずは必要と考えられます。意思伝達の相手ともいえる家族との関係が良好でないと支給できないという基準はありませんが、まず、家庭訪問して、問題を明確にすることが必要だといえます。
【Q62】患者の家族から申請がありました。在宅訪問したのですが、ご本人とは目線も合いませんでした。訴えていることが全くわからなかったのですが、どうすればよいでしょうか?
【A62】難しい状態です。病気の中には、知的に低下する場合や、認知症の症状を呈する場合もあります。ご家族から医師の意見書をもらうと共に、保健所保健師と協議するのがよいでしょう。
【Q63】保健師から、家族への意思伝達は困っているわけではないのですが、遺言を残したいという方に意思伝達装置の支給は可能かと問い合わせがありました。支給は適当でしようか?
【A63】通常の自筆・パソコン使用が難しい四肢麻痺であり、口話も厳しい場合は、適当といえるでしょう。
 ALSの方からは比較的多く出される希望です。
※ 平成22年度改定関係(追加) にも、関連のQ&Aがあります(Q86)。

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《 判定例 》

【Q64】ALSの患者です。進行したときに使えなくなると困るので、修理基準にあるスイッチを事前に受けることはできますか?
【A64】現在必要のないスイッチの支給は、できません。新たなスイッチ交換が必要になったときに、申請して判定をうけて下さい。
【Q65】体位交換毎に、使えるスイッチが欲しいです。複数個、修理基準(スイッチ交換)の受けることはできますか?
【A65】この場合は、できません。体位交換を行った場合には、身体とスイッチの位置関係も変わり、調整(確認)が必要になるのが通常です。スイッチを複数設置するのではなく、正しい調整(確認)を指導することが大切だといえます。
【Q66】1スイッチによるオートスキャンでは、効率が悪くてメッセージを上手く綴ることができません。2スイッチによるステップスキャンをしたいのですが、2個、修理基準(スイッチ交換)の支給を受けることはできますか?
【A66】身更相の判定により、その方式が有効であり妥当とされれば、支給を受けることは可能です。
【Q67】ステップスキャンを使って入力したいのですが、3個のスイッチを修理基準で受けることはできますか?
【A67】身体機能によっては、送り・逆送り・決定という3つを使って、より効率的に入力する方もいますが、あればより良いという観点での要求とも考えられます。限られた財源からの支出であるため、ステップスキャンに関しては、原則として2つまでが公平性を保てる公正・適切な判断と考えるのが妥当でしょう。
【Q68】入院中の患者からの依頼です。呼び鈴の代わりに、病院ナースコールとの接続費用とに、読み替えられませんか?
【A68】一般的に、ナースコールに意思伝達装置を接続することはコネクタ形状が異なること、メーカーとしてシステム(ナースコール)の加工を認めていないことなどの理由から、接続もできません。仮に、病院・家族等の当事者間の合意があり、加工を行って接続するとしても、呼び鈴分岐装置の支給までが妥当です。加工部分を含むコネクタから先の部分が自己所有物であれば、その部分までを呼び鈴分岐装置に含むかどうか検討してもよいでしょう。
【Q69】日常生活用具の頃から、意思伝達装置を介してテレビを利用しています。最近テレビを地デジ対応に買い替えたところ、操作がうまくいきません。再度判定してもらえるでしょうか?
【A69】[22更新] 原則、意思伝達装置の基本機能ではなく、周辺環境の機器操作である環境制御装置に相当する機能は付加機能とされています。本来機能である意思伝達機能には問題ないのであれば、これを理由に再判定は、現実的には公費対応が難しいと考えられます。
【Q70】意思伝達には文字盤を利用されており、趣味のDVD鑑賞のためだけに、意思伝達装置の申請をされてきています。どうすればよいでしょうか?
【A70】[22更新] 意思伝達装置の付加機能として遠隔制御する機器にその機能があったとしても、意思伝達装置の本来の目的ではないので、支給することは、適切とはいえません。
【Q71】マクトス(脳波)については判断が困難と感じています。またデモ機を借りられる期間内での練習では十分成果が出ない方もいるように感じます。そうなると、練習期間を含めて支給が適当としたほうがよいのか、使用状況が明確でないとして、自費購入としてしまうのか、とても判定に困りますが、そうすればよいのでしょうか?
【A71】脳波に関しては、メーカーの判断と共に、主治医の電気生理学的判断を検討して下さい。 メーカーは、デモとして必要な期間をある程度検討されていますので、その期間で意思伝達ができているかどうかを、判定するしかありません。
 脳波に関しては、メーカー品と共に、脳波計を利用して、前頭葉部分からの電位の変化をみるということも可能かと考えられますが、メーカーが別売しているモニターソフトウエアを導入して、意図的に信号が出ている・出さずにいるという判定をすることが、実際にはよく使われています。
 はい・いいえの返答率についての考え方は、主治医と共に、客観的に判断できる脳神経内科専門の医師に相談することも重要です。
【Q72】生体現象を利用して「はい・いいえ」を判定するものについて、本当に本人の意思が反映されているのか、利用が可能かどうか、見極めが難しいですが、どうすればよいのでしょうか?
【A72】現時点では、難しいのが事実です。
 しかしながら、運動機能が障害され、明確な意思があるのに、閉じこめ症候群(ロックドイン)の状態になった方に対して、公的に支援ができないのも問題です。
 大学の研究室といった先の研究レベルではなく、商品として入手可能となっており、実際に発信が可能な方もいるのも事実ですので、安易に判定だけすれば良いということではなく、継続的にできる支援を、共に探すことも重要かと考えられます。
【Q73】市のケースワーカーです。生体現象を利用して「はい・いいえ」を判定するものとして申請があり、身更相の判断により、支援しました。正直なところ見極めのポイントがわからないのですが、客観的根拠はあるものでしょうか?
【A73】筋電・眼電位利用に関しては、ある程度の測定器を利用することで、根拠とすることが可能です。脳波・脳血流に関しては、メーカーの判断と共に、主治医の電気生理学的判断を検討して下さい。
※ 平成24-25年度改定関係(追加) にも、関連のQ&Aがあります(Q91)。

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