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適合事例集

「重度障害者用意思伝達装置における操作スイッチの適合事例」

はじめに

 本事例集は、重度障害者用意思伝達装置で使用する「入力装置」におけるALS及びSCDの運動機能評価と入力装置の設置技術に関する支援技術の一端を述べたものである。

入力装置とは

 重度障害者用意思伝達装置に使用される入力装置をパソコン等のポインティングデバイスと区別する為に、単体で使用できる仕様を「スイッチ」、電源を必要する仕様を「センサ」と言い、これらを総称して「操作スイッチ」と言う。

適合技術とは

 操作スイッチの適合技術とは、生活動作の継続的な保障及び維持の可能性を踏まえ、対象となる機種の特性を理解し、使用者の身体運動機能、操作時における適切な姿勢等を総合的に評価した『使用者にとって良好な操作を実現する』設置作業である。

姿勢及び肢位の評価

 良好なスイッチ操作を行なう姿勢の確保は、適合評価を行なう上での重要な条件であり、評価者は操作を行なう身体部位の動作のみに着目するのではなく、身体状況を全体的に捉え、評価を行なう必要がある。

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運動機能と操作のための動作

 当事者のあらゆる動作が入力装置の操作として活用できるとは限らない。自動運動を効果的に発揮させるために以下の身体機能評価を行なう必要がある。

1)手指部

 ALSの場合、伸展時の抗重力運動の軽減を図るため回内位が基本となり、回外位の場合でも中間位にするなど抗重力運動の軽減となる肢位を取る。

2)脚足部

 座位:安静時に自重が操作スイッチに反映されぬよう支持具に部分的に足部を乗せ、IP関節運動や底屈で入力される位置に設置する。

3)頭頸部

 臥位:回旋動作に影響を与えるヘッドサポート・枕などの形状等が、操作スイッチからの離脱動作を困難にすることがある。

 座位:筋力低下により頭部が下がり切った状態では、視野の改善のために、車いす等で頭部を正中位に戻す必要がある。

4)顔面部

  • 1.眼球運動(外眼筋)
     眼球の動きは物を見る動作と同一であることから、手段とはならない。
  • 2.まぶた(眼輪筋)
     閉眼動作は睡眠時及び生理的反射が意図的な閉眼と同一運動であるため、手段とはならない。日常動作より大きなまぶたの挙上動作のみが手段となりうる。実際は眼球の動きに伴う挙上である。
  • 3.ひたい(前頭筋)
     額に皺を寄せる動作となる。多くの場合、眼球の動きを伴うことで収縮運動が顕著となる。
  • 4.口唇、顎(口輪筋)
     開閉動作は生理的及び日常的な動作と同一であり、手段とはならない。口唇を突き出すなど限定された動作や生理的及び日常的な動作より大きな変化であれば、手段となりうる。
  • 5.呼吸(頬筋)
     人工呼吸器装着であっても、口腔内の空気を吐き出す時に風圧を感じることが出来れば、手段となりうる。

問い合わせ先

事例提供

川村義肢株式会社 マーケティング本部 日向野和夫

 本事例集は入力装置の基本的な適合事例を紹介しているが、入力装置の適合技術を含めた総合的な支援技術に関する「コミュニケーション障害における適合技術」の出版を今後、予定している。

 本事例集が、実践に携わる関係者への一助になれば幸いである。

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